東山洪積世植物遺体包含層は，京都市東山区今熊野南日吉にある国指定天然記念物です．天然記念物には，1943年(昭和18年)2月19日に指定されました．

　京都府京都市東山区今熊野の正法寺は，浄土宗西山禅林寺派のお寺です．同じ東山にある真言宗の霊山・正法寺(石の寺)とは違います．東大路から醍醐道の坂を東に登っていくと左手側にあります

　途中，特に案内板等はありませんが，お寺の境内に「天然記念物」の石碑があります．お寺の方にお願いして見学させて頂きました．

　石碑の南側に高さ1m，幅3mほどのシルト層の小さい露頭があります．以前は新鮮の植物化石が観察できたようですが，現在はその部分は失われているようです．この地層は，約3万年ほど前の深草層上部層に対比され，浅い海に堆積したものとされています．この地層から産出した植物化石としては，アマミゴヨウ（Pinus armandivar. amamiana），コナンキンハゼ（Sapium sebiferum var.pleistoceaca），コウセキハマナツメ（Paliurus nipponicus）などが報告されたとされています(地質調査所，2013)．