釣石神社は，宮城県石巻市の北上川河口近くにあります．東日本大震災で多くの犠牲を出した大川小学校から3kmほど川下になります．　

　釣石神社周辺にも津波が到達し，階段の途中に到達水位が表示されていました．社務所なども流されて，撮影時には仮の社務所がありました．

　釣石神社のご神体は，斜面途中にある球形の岩と，その下の大きな岩です．球形の巨石は，宮城県沖地震や東日本大震災でも崩落しなかったので，「落ちない石」として受験合格祈願などにご利益があるとして親しまれています．

　この付近の地層は，下部白亜系十三浜層群吉浜層の厚い砂岩です(滝沢ほか，1990)．この岩石が玉ねぎ状に風化して，その中心部が巨大な球状に残ったのが釣石と考えられます．

　それにしても巨大な風化核で，実物を見て驚きました．このまま落ちずに，地元の人々を見守ってほしいものです．